私は年間2、3回程度登山をします。回数も少なく本格的な装備を持っている訳ではないため、初心者向けの山を中心に登っています。また、山には詳しくないため、登山が好きな友人と一緒に登っています。
登山初心者として、どんな物が必要で、どんな準備をすればいいのか?登山するときに気をつけること、マナーなどをお話ししたいと思います。
あくまで初心者向けの記事になりますので上級者の人には参考にならないかもしれませんが、お役に立てれば嬉しいです。
- 日帰り登山をする予定
- 片道2、3時間で初心者向けの山に登る
- 登山経験者と一緒に登る
- 7月から9月に登る
登山当日までの準備

登山へ行くにはいろいろな準備が必要になります。私も初めて登山に行くときは何を持っていけばいいのか?服装はどうすればいいのか?いろいろ分からないことだらけでとても不安でした。
始めは一緒に行く人に聞いてみたり、調べたりしました。そして、実際に何回か登ってみて『これはあって良かった!』『次はこれを持っていこう!』と気づいていったものです。
では、細かく説明していきましょう。
持ち物
片道2、3時間、日帰りで登れる初心者向けの山ならばこんな持ち物があれば十分ではないかと思います。
- 登山用リュック(バック)
- 時計
- 水分
- 医療セット
- 日焼け止め
- サングラス
- タオル
- ゴミ袋
- 飴
時計、水分、医療セット、タオルなどは最低限必要な持ち物ですが、それ以外に日焼け止めやサングラスもあった方がいいです。山の日差しは平地よりも強いため、目や肌に大きなダメージを与えます。多めの水分と熱中症対策のタブレットがあるとなお良いでしょう。
登山用のリュック
日帰りであれば30Lぐらいの容量のリュックで問題ありません。リュックで大事なのはフィット感です。これは登山経験者の友人から教わったのですが、リュックと背中に隙間がないように背負うことで疲れが軽減されます。私もベルトを調整するようになってから驚くほど変わったのを覚えています。
また、チェストストラップ、ヒップベルトといって正面のショルダーベルトを繋ぐベルトがあるリュックだとフィット感が増しますのでそれらがついているリュックを選ぶのをおすすめします。
このように元々ベルトがついていないリュックに付属としてつけられるものもあります。
登山用のストック
また、費用に余裕がある場合は、登山用のストックを持参するのもおすすめです。これはあるのとないのではまったく変わります。登山中の体への負担が分散され、疲れも減りますし、バランスも取りやすくなることで怪我の防止にもなります。
私も始めはストックなしで登山していましたが、その後、ストック1本を購入し、今では2本使っています。やはり1本だと片手だけなので使いづらいことがありました。2本使うことをおすすめします。
服装
服装に関してですが、アウトドアショップで売られている登山用の服を選べば間違いないと思います。登山用の服は少し高価ですが、その分、体温調整や皮膚の保護などをしてくれるため、怪我の防止にも繋がります。それなりに良いものを着るのがいいでしょう。
山によっては真夏にもかかわらず雪が残っているところもあります。昼間はTシャツでも暑いぐらいですが、午後からは冷え込むこともあります。

このときは真夏なのに雪が残っていて不思議な気持ちでした…しかも、ここを通らないと頂上へ行けない山だったので歩くのも大変でしたね。
例えばこんな服装
夏は天気がいいと非常に暑くなり汗もかくため、下はスポーツタイツ、スポーツレギンスなどのスポーツウェアとハーフパンツを合わせたスポーツをする格好でも問題ないと思います。ですが、茂みや岩場などがある山の場合、足が汚れたり、擦れたりすることもあるのであまりおすすめはしません。
あくまで例えですが、下はロングパンツ、上はコンプレッションウェア、スポーツインナーと速乾性のあるTシャツがいいでしょう。
私の場合、始めの頃はスポーツタイツにハーフパンツ、吸収性のあるTシャツを着て運動する格好で登っていましたが、岩が多い道や茂みで汚れたり、切り傷を作ったりすることが多かったのでロングパンツを買って登るようになりました。
レインウェア
レインウェアは登山では重要で必須アイテムです。山の気候はとにかく変わりやすく、午前中晴れていても午後から突然天気が悪くなって雨が降り出すこともあります。また、登山用のレインウェアは雨だけではなく防風、防寒としても着れるのであると重宝します。
帽子
また、帽子も登山においては重要になります。さきほども書いた通り、山の日差しはとても強いので帽子は熱中症予防にもなります。また、怪我の防止の役割もあるので必ず用意してください。
登山靴
何回か登山をして個人的に『これは需要だ!』と思ったのが靴です。私も初心者でしたが、靴だけは高価なものを購入しました。登山でもっとも重要なものであると思っています。登山用で自分に合った靴があれば疲れの度合いが変わります。アウトドアショップでスタッフに自分に合った靴を選んでもらうのがいいでしょう。
登山経験者と一緒に登る

私自身非常に恵まれていると思っていますが、山に詳しい人と一緒に登るとまったくと言っていいほど楽しいものになります。登山は思っている以上に危険です。天候の悪化や、滑落による怪我などがあり、命の危険もあるものです。山に詳しい人は知識があります。歩くペースや時間の調整、天候、状況判断、いろいろなことに目を配ってくれます。
実際にあった話ですが、以前、登山に行った際、下山するときに雲行きが怪しくなってきたことがありました。私自身はこのくらいの雲なら雨は降らないだろうと思っていましたが、一緒に登った山に詳しい友人が『これから雨が降るから急いで下山しよう!』と行って急いで下山しました。
そのあと急に夕立のように強い雨が降り出しました。もし、少しでも下山が遅れていたら足場も悪くなり、気温も下がっていたため、大変だったとそのとき思ったのは言うまでもありません。
このように初心者では判断できないことを自分の経験上から予想、想定できるのが登山経験者です。できる限り山に詳しい人、登山経験者と一緒に登るようにしましょう。
登山計画書を提出する
登山をするときは登山計画書を提出してください。これは私も知らなかったですし、そんなに重要なの?と思っていたのですが、とても重要です。
どんなに山を知っていても、どんなに山に慣れていても事故に巻き込まれることがあります。
登山計画書は命綱のようなものです。これを書くことによって、どのように登山するのか?誰がいつどの山に登ったのか?それらの情報を残すことができます。
登山計画書は特に決まったフォームはなく、最低限の必要項目が書かれていれば問題ないようです。山岳会のホームページにフォームがありますのでそれをダウンロードすれば問題ないでしょう。
- 一緒に行くメンバーの名前
- 代表者の緊急連絡先
- 行動計画(入山場所、下山する場所、予定時間)
提出先は登山口のポストに投函するのもいいですが、山によってはないところもあるので心配な場合は事前に送付することをおすすめします。
前日は早く寝る
基本的に登山は朝早くから登ります。山の天気は非常に変わりやすく日が落ちるのも早いため、午後の早い時間に下山するのがいいと言われています。また、山まで行くのに時間がかかるため、必然的に朝早く起きなければなりません。実際、私も朝4時ぐらいに起きて登山することもありますが、やはりキツイです。
前日にお酒を飲んだり、夜更かししたりしないようにして早めに休むのがいいでしょう。登山は複数人で登ることが多いため、一緒に登る人達にも迷惑がかかってしまいますので。
登山中の注意
私が調べたり、聞いたり、感じたこと。また、登山をする際のマナー、楽しみ方についてまとめてみました。
ゴミは持ち帰る
やはりこれは大事ですよね。ゴミは絶対に山に捨てずに持ち帰るようにしましょう。当然ですが、山にはゴミ箱はありません。そのため、できる限りゴミを出さないように気をつけて登るようにしてください。ゴミが出てしまった場合は持参したスーパーの袋やビニール袋に入れるのがいいでしょう。袋はそれ以外にもいろいろな使い方ができるので多めに持っていくことをおすすめします。
自然を守る

登山道は最低限しか手を加えられていません。なぜならばそれは自然を守るためです。自然に近い状態で登山を楽しむために登山道は舗装されたり、きれいに整備されたりしていない訳です。そのため、歩きづらいと思うかもしれません。
それでも基本的には登山道以外を歩かないようにしてください。登山道以外に踏み入れることで自然を汚すことにもなりますし、怪我をすることもあります。また、草木を傷つけたり、石などを移動させないようにしてください。落石などの発生にも繋がってしまいます。
山道は登り優先
一般的には登山は登り優先といわれています。登りの方が大変ですし、登るときは足元を見てしまうことも多く視野が狭くなります。山の登り下りではなく、傾斜の登り下りに合わせて道を譲るようにしてください。
道を譲るときには注意する
道を譲るときは人がすれ違うスペースがある場所を探してください。基本的に登山道は狭くなっています。場所を探すのが大変かもしれませんが、すれ違うときに怪我をしてしまうこともあるので焦らずスペースを探して待機するのがいいでしょう。
すれ違う人と挨拶をする

私はこの意味を知って目から鱗だったのですが、実は挨拶はとても重要です。
もちろん、登山道は道が狭いのですれ違うときには気遣いが必要になります。そういった意味で『こんにちは』『お先にどうぞ』などと挨拶や会話することがありますが、この挨拶にはそれ以外の意味もあります。
それは登山道ですれ違ったことを覚えてもらうという意味もあるのです。万が一、登山をしていて遭難したり、滑落したりした場合、いつ、どこで、誰とすれ違ったのか?覚えてもらえていれば、捜索活動に役立ちますよね?
これを聞いてから登山道での挨拶をしっかりするようになりました。挨拶だけではなく何気ない会話もするようになりました。会話をすればお互いの存在を挨拶以上に記憶に残すことができますので。
話しながら登る
話しをしながら登ることは登山にとって大切な意味を持っています。まずは一緒に登る人とのペースを合わせることができます。ペースを合わせることで遭難や怪我の際に早期発見することができます。
また、話すことで呼吸を整えようとするため、疲れにくくなり、疲れたときにも気が紛れる効果があります。私も始めは知りませんでしたが、何回か登ることによりその意味を理解することができました。
こまめに休憩する
人とペースを合わせることは休憩するときも同じです。疲れやすい人、休憩したい人に合わせてこまめに休憩することで体の負担も減ります。その際は水分補給を忘れずに行いましょう。
また、ゆっくり周りを見渡して自然を感じるのもありです。これが登山の楽しさでもあるので。ただし、登山は時間が限られているので何も考えず休憩ばかりしている訳にはいきません。日が暮れるに連れて危険度も増していきます。時間配分を考えながら休憩を入れましょう。
急な天候の変化に注意する

山の気候はとても変わりやすいです。雨が降ったり、気温が下がったり、どんな気候でも対応できるような服装、体力調整を行いましょう。また、雨が降ると地面が濡れて足元が滑りやすくなります。雨のときは特に注意して歩くようにしてください。
頂上で楽しむ
私個人での感想が大きいかもしれませんが、登山の醍醐味は頂上での過ごし方です。登山は疲れます。苦しくて大変です。その分、頂上に到着したときの達成感、開放感、充実感は計り知れません。辛いことのあとの幸せなひとときです。
頂上で飲むもの、食べるものはなぜかとても美味しく感じます。平地と同じ食べものでも『なんでここで食べるとこんなに美味しく感じるんだ!』と感動すらしてしまいます。
頂上では思いっきり空気を吸って、景色を見て、山を自然を楽しみましょう。山を登って良かったと思えますので。

天気が良ければこんな景色を見ることができます。山の景色はほぼ毎日変わります。山に登った日に感動する景色に出会えることはとても嬉しいものです。これも登山の醍醐味ですね。
下山は特に注意する
登山でもっとも怪我をする確率が高いのが下山のときです。山を下るときは頂上で休憩したあとになるので気が抜けてしまいます。また、時間も経っているので疲れもたまっていますし、下るときは体の重心が山側にあるので足を滑らせることが多くなります。登りのときよりも注意して歩きましょう。
登山道の入口まで戻るのが登山です。最後まで気を抜かないで登山を楽しんでくださいね。
最後に
登山は非常に危険を伴います。そのために準備することやマナーもたくさんあります。しかし、その分山に登って良かったと思えます。それは、きれいな景色を見たり、美味しいご飯を食べたり、自然を感じたり、それ以上の意味や目的があるからです。
正しいルールで楽しく登山を楽しみましょう。少しでも山を登る人のお手伝いになれば幸いです。