音楽をテーマにした映画はたくさんあります。音楽がテーマというのはバンド、オーケストラ、楽器の演奏、歌、さまざまな音楽の要素が含まれている映画のことです。そんな音楽に関連のある映画を映画と音楽好きな私が個人的に探してみました。
音楽が好きなら普通の映画よりももっとおもしろく感じると思いますが、音楽にそれほど興味がなくても十分楽しめるストーリーの映画ばかりですのでよかったら参考にしてみてください。
今回は海外の映画を5つご紹介します。最後までお付き合いください。
イエスタデイ
作品情報
ジャンル | コメディ、ファンタジー、音楽 |
監督 | ダニー・ボイル |
脚本 | リチャード・カーティス |
出演者 | ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノン、エド・シーラン |
音楽 | ダニエル・ペンバートン |
製作国 | イギリス |
公開 | 2019年10月11日 |
上映時間 | 116分 |
あらすじ
“イエスタデイ<昨日>”まで、地球上の誰もがザ・ビートルズを知っていた。
しかし今日、彼らの名曲を覚えているのは世界で一人、ジャックだけ・・・
ジャックは突然、信じられない不思議な世界に身を置くこととなってしまった!
ジャックは、イギリスの小さな海辺の町に住む、悩めるシンガーソングライター。
幼なじみで親友のエリーから献身的に支えられているもののまったく売れず、音楽で有名になりたいという夢に限界を感じていた。そんな時、世界規模で瞬間的な停電が起こり、彼は交通事故に遭う。昏睡状態から目を覚ますと、この世には史上最も有名なバンド、ザ・ビートルズが存在していなかったことになっていることに気づくが・・・。引用:Filmarks
感想
この作品の監督はダニー・ボイル。『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞を8部門受賞し、話題となりました。脚本も非常に良かったのですが、それもそのはず『ラブ・アクチュアリー』や『ノッティングヒルの恋人』の脚本も手がけたリチャード・カーティスが担当しています。コメディ要素がありながら感動するストーリーはまさにこの脚本家の得意技ですね。
全世界で原因不明の停電が起きた際に交通事故にあってしまい、その後、いろいろなものが世の中から存在しなくなっていたというSF要素のある映画。主人公は音楽の道でプロを目指していて、世の中から消えてしまったものの一つであるビートルズを演奏するところから物語が始まります。
『もし自分が有名なアーティスの代わりになれたなら?』という願望を叶えてしまった話。しかし、それと同時に本当は自分の曲ではないことに対しての罪悪感や劣等感を抱え、才能の違いに悲観、絶望する様子もリアルに描かれています。そして、有名になり多忙な日々を送る中、大切な人を手放してしまいます。
音楽を通して本当に大切なものとは?ということを考えさせてくれる映画。存在しなくなったものはどうなるの?この世界は夢だったの?という疑問を最後には答えとして出してくれるのですが、個人的にはこの終わり方が好きでしたね。
改めてビートルズの偉大さ、素晴らしさを実感できる映画でした。劇中流れるビートルズの名曲を聴きながら映画の余韻にひたるのもいいですね。
はじまりのうた
作品情報
ジャンル | ヒューマンドラマ、音楽 |
監督 | ジョン・カーニー |
脚本 | ジョン・カーニー |
出演者 | キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、ヘイリー・スタインフェルド、アダム・レヴィーン |
主題歌 | Lost Stars |
製作国 | アメリカ合衆国 |
公開 | 2015年2月7日 |
上映時間 | 104分 |
あらすじ
製作した曲が映画に採用された恋人のデイヴとともにイギリスからニューヨークへやってきたシンガーソングライターのグレタだったが、デイヴの浮気により彼と別れて、友人のスティーヴを頼る。スティーブは失意のグレタを励まそうとライブバーに連れていき、彼女を無理やりステージに上げる。グレタが歌っていたところ、偶然その場に居合わせた落ち目の音楽プロデューサー・ダンの目に留まる。ダンはグレタに一緒にアルバムを作ろうと持ち掛ける。
引用:Wikipedia
感想
『ONCE ダブリンの街角で』という映画の監督であるジョン・カーニーが監督と脚本を担当しています。主演はシンガーソングライターを演じたキーラ・ナイトレイと音楽プロデューサーを演じたマーク・ラファロでマルーン5のアダム・レヴィーンが映画初出演した話題作。
音楽が好きで、音楽というものと素直に向き合っている男女の物語。レコーディングスタジオで音楽を作るという王道なやり方ではなく、ニューヨークの街のさまざまな場所でゲリラレコーディングする姿がとても輝いていて楽しそうにしているのが映像としてとても良かったです。
このようにこの映画は音楽がテーマとなっているので、確かに音楽好きには楽しめる映画になっています。しかし、この映画の魅力はそれだけではありません。自分の好きなことに真っ直ぐに突き進んでいく姿。逆境にもめげずに自分の信念を貫く姿。今、嫌なことが続いてめげそうになっている人、どん底の状態にいて前に進めない人。そんな人たちの背中をそっと押してくれる。そんな誰もが温かくなれる映画です。
この映画でかかせないのはアダム・レヴィーンが歌う劇中歌『Lost Stars』。この曲は第87回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされました。とても素晴らしい曲です。ぜひ聴いてみてください。
私はこの映画をみてマルーン5も好きになりました。アダム・レヴィーンのクリアなハイトーンボイスはスーッと心に入ってきて染みわたるんですよ。
オーケストラ
作品情報
ジャンル | ヒューマンドラマ、音楽 |
監督 | ラデュ・ミヘイレアニュ |
脚本 | ラデュ・ミヘイレアニュ、アラン=ミシェル・ブラン |
出演者 | アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン、ミュウ=ミュウ |
音楽 | アルマン・アマール |
製作国 | フランス |
公開 | 2010年4月17日 |
上映時間 | 119分 |
あらすじ
ロシアのボリショイ劇場で清掃員として働くアンドレイは、かつてはボリショイ交響楽団の天才指揮者として知られていたが、共産主義政府によるユダヤ人排斥政策に従わなかったため、30年前に楽団を追われた過去を持っていた。
そんな彼はある日、パリの劇場がキャンセルした楽団の代わりとなるオーケストラを探しているという情報を得る。音楽界復帰のチャンスと思った彼は、追放されていたかつての楽団員たちを集め、『ボリショイ交響楽団』になりすましてパリにへ行くことを計画する。演目はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
アンドレイはソリストとしてパリ在住の女性ヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケを指名する。彼女とともに演奏することもアンドレイの目的で、過去のある事情が関係していた。そして、演奏会の日。ギリギリで集まった団員たちの、調子っぱずれの演奏が始まり、「神様がいるなら教えてくれ」と祈る人も出てくる……。引用:Wikipedia
感想
タイトルの通り、オーケストラを題材にした映画。チャイコフスキー、モーツァルト、シューベルト、シューマンなど数々の名曲が使われています。
コンサートのシーンはパリのシャトレ座で撮影、フランス国立管弦楽団の第一奏者サラ・ネムタヌをヴァイオリン指導に迎え、音楽監督にはアルマン・アマール。本物のコンサートに匹敵するクオリティを追求し、セザール賞で作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、音響賞、オリジナル作曲の6部門にノミネートし、その中から音響賞、オリジナル作曲の2部門を受賞しました。
とある理由で伝説的な指揮者だった主人公が昔の仲間を集めて再びオーケストラの指揮者として復活する物語。嘘をつきパリにある大きな会場で演奏しようと奮闘する姿がコメディ要素満載でおもしろいのですが、後半はそれが感動へと変化していきます。
有名だった楽団がなぜ解散してしまったのか?フランスで活躍する女性バイオリニストを共演者として指名したのはなぜか?それらの理由や意味がこの映画の後半分かってくるのですが、これが感動要素となっています。
そして、その感動と共にオーケストラが奏でる素晴らしい音楽がこの映画の感動をさらに色付けして盛り上げてくれます。クラッシックの音色が心地良く響く感動的な映画です。
奇跡のシンフォニー
作品情報
ジャンル | ヒューマンドラマ、音楽 |
監督 | カーステン・シェリダン |
脚本 | ニック・キャッスル、ジェームス・V・ハート |
出演者 | フレディ・ハイモア、ケリー・ラッセル、ジョナサン・リース=マイヤーズ |
主題歌 | ハンス・ジマー |
製作国 | アメリカ合衆国 |
公開 | 2008年6月21日 |
上映時間 | 114分 |
あらすじ
ニューヨーク近郊の孤児院で暮らすエヴァンは、両親が必ず迎えに来ると信じているものの、11歳になるまでその願いがかなう事は無かった。
ある日不思議な音に導かれるように彼は孤児院を抜け出してしまう。たどり着いたマンハッタンで様々な出会いを経てエヴァンは音楽の才能を開花させる。
一方エヴァンは死んだと思っていた彼の母ライラ、そしてライラと結ばれること無く一時は悲嘆にくれていた父ルイスも音楽に導かれるかのようにマンハッタンへ向かう。引用:Wikipedia
感想
この映画の主人公は『チャーリーとチョコレート工場』でチャーリーを演じた天才子役フレディ・ハイモア。その他、『マッチポイント』のジョナサン・リース=マイヤーズやロビン・ウィリアムズなど共演者も豪華。
そして、この映画もやはり音楽が素晴らしいです。『ライオン・キング』でアカデミー賞を受賞したハンス・ジマーがテーマ音楽を手掛け、主題歌『Raise It Up』はアカデミー賞の主題歌部門にノミネートしました。
施設で育った純粋無垢な少年が両親を探すために奮闘する物語。辛い状況でありながら両親との再会を夢見て行動する姿がとてもけなげで感動します。両親を探す中で危険な目にあいそうになり、逃げだして、助けられて、いろいろなことに巻き込まれていきます。
ですが、この主人公にはたった一つ武器があります。それはたぐいまれなる音楽の才能を持っていたということです。耳から聴こえた音を音楽に変えられる才能を持った主人公は無我夢中で音楽をかき鳴らします。まるでまだ出会えぬ両親へ届けと言わんばかりに。
この物語はまさにタイトルの通り、音楽が奇跡を生むということを証明しています。音楽が奇跡を生んで、それが運命を変える。まさに音楽がなければ語れない映画です。
シングストリート
作品情報
ジャンル | 青春、音楽 |
監督 | ジョン・カーニー |
原案 | ジョン・カーニー |
出演者 | フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、ルーシー・ボイントン、マリア・ドイル・ケネディ、エイダン・ギレン |
音楽 | ゲイリー・クラーク |
製作国 | アイルランド |
公開 | 2016年7月9日 |
上映時間 | 105分 |
あらすじ
1985年、大不況のダブリン。人生の14年、どん底を迎えるコナー。父親の失業のせいで公立の荒れた学校に転校させられ、家では両親のけんかで家庭崩壊寸前。音楽狂いの兄と一緒に、隣国ロンドンのMVをテレビで見ている時だけがハッピーだ。
ある日、街で見かけたラフィナの大人びた美しさにひと目で心を打ちぬかれたコナーは、「僕のバンドのPVに出ない?」と口走る。慌ててバンドを組んだコナーは、無謀にもロンドンの音楽シーンを驚愕させるPVを撮ると決意、猛特訓&曲作りの日々が始まった-。引用:Filmarks
感想
この映画はさきほど紹介した『はじまりのうた』のジョン・カーニー監督が作った新たな音楽映画。『はじまりのうた』とはテイストが異なり、デュラン・デュラン、ザ・キュアー、ザ・クラッシュ、ザ・ジャムなど、80年代を席巻した数々の大ヒット曲が使われており、懐かしさや古めかしさがとても印象的で真新しく映ります。
思春期の少年が好きな子のために小さな嘘をつき、それがきっかけでバンドを組み、音楽にのめり込む姿を描いています。誰しも若い頃はカッコイイ、カワイイというものに憧れを抱くものですが、どこか違ったものになってしまうものです。それがまた初々しくてかわいらしく感じます。音楽に対して一生懸命に取り組む姿が眩しくて、こんなにストレートに物事に取り組めることに羨ましさすら感じます。
熱中するものがあって、それを一緒に共有できる仲間がいる。それだけで日々の生活は楽しくなります。そして、それは自分自身を成長させてくれます。まさに思春期の少年たちの素直な心情と成長を音楽と共に鑑賞できる映画です。
最後に
音楽といってもバンドであったり、オーケストラであったり、歌であったり、いろいろな種類があります。音楽をテーマにした映画も同様にさまざまな形で音楽が映像を彩っています。
音楽にそれほど興味がなくても、純粋に楽しめるストーリーの映画となっていますので、よかったら見てみてください。