この漫画のテーマは宿命と勇気と友情。私自身はそう解釈しました。
まさに宿命という言葉がこの漫画にはピッタリだと思います。避けることのできないことに対して勇気を武器に立ち向かっていく。そして、決して友情なしでは成し遂げられない。そんな漫画です。
ここでいう友情とは人間同士の友情ではありません。人間と妖怪の友情です。主人公は『うしお』という人間と『とら』という妖怪です。
人間と妖怪は住む世界も考え方も生き方も違います。本来は交わることのない生き物が反発しながらも絆を深めてお互いを助け合っていく。そんな姿に感動しましたね。
作品情報
単行本は1冊の外伝以外に33巻あります。物語は完結しています。その他にも文庫版全19巻、ワイド版全18巻があり、アニメ化もされました。人気の高さがうかがえますね。
ジャンル:少年漫画、怪奇ファンタジー、ホラー、バトル、アクション
作者:藤田和日郎
出版社:小学館
掲載誌:週刊少年サンデー
発表期間:1990年6号 – 1996年45号
単行本:全33巻 + 外伝1巻
文庫版:全19巻
ワイド版:全18巻
あらすじ:僧を父親に持つ少年・蒼月潮は、自宅の寺の蔵で一本の槍に縫いとめられていた妖怪と出会う。うしおが「とら」と名づける事になるその妖怪は、かつては名の知られた恐るべき大妖怪であった。当初はその凶悪さから封じたままにするつもりの潮であったが、幼馴染の麻子と真由子が近くから集まってきた妖怪に襲われたために封印の槍を引き抜き戦うことを約束させる。もっとも引き抜かれた直後に人間との約束など反故にする性格のとらは、その後長い間潮によって槍で殴られ戦わされる関係となるが。大妖怪とらと、それを500年間縫い留めていた封印の槍。この槍は2000年以上も前に中国で妖怪を滅ぼすためだけに作られた「獣の槍」と呼ばれる伝説の槍であった。出典:wikipediaより抜粋
主人公は人間の『うしお』と妖怪の『とら』。この2つの生き物のやり取り、絆、バトルシーンがおもしろい要素なんです。
この2つの生き物の出会いはひょんなことから始まります。うしおは自宅の蔵に槍に刺されて動けない『とら』を見つけます。ある理由からやむを得ずその槍を抜くことになります。
この槍は獣の槍と呼ばれていて、物語を通して獣の槍の存在理由が少しずつ見えてきます。ここから運命に導かれるように物語が進んでいきます。
おもしろい要素
バトルシーン
戦いのシーンはこの漫画のおもしろい要素の一つです。うしおは常に全力です。ボロボロになります。ときに命を投げ出す覚悟で戦います。これが胸を打つんです。応援したくなるんです。
また、戦い方もさまざまです。とらと共闘することもあれば協力者と一緒に戦うこともあります。毎回違う体質、特性も持った妖怪が出てきます。
その妖怪たちをどうやって倒すのか?この状況をどうやって切り抜けるのか?それも見どころです。
とらに刺さっていた獣の槍。これを持ったうしおは容姿が変化し、妖怪を倒せる不思議な力を使うことができます。
この獣の槍を使って戦うシーンも見どころがあり、うしお、とら、獣の槍、この3つがそろうと強い妖怪でも歯が立ちません。
旅がこの物語を紐解いてくれる
獣の槍を持つようになり、妖怪と戦うことになったうしお。あるとき、死んだと聞かされていた母親が生きているのではないか?と疑問を持つようになります。
それがきっかけで旅に出ることになります。この旅がうしお、とら、そして、この物語を紐解く鍵になるのです。
この旅を通して、さまざまな妖怪と出会います。妖怪というと怖い、悪、暗いというイメージですが、ここに出てくる妖怪はすべてそうではありません。
確かに人間を恨み、忌み嫌い、排除しようとする妖怪もいます。しかし、うしおと出会い、触れ合うことで人間に歩み寄ろうとします。手を取り合い協力しようとします。
うしおは相手が妖怪だからということではなく、一つの生き物として向き合います。区別や差別をしません。善か悪で判断します。
このうしおの真っ直ぐで素直な性格や心が妖怪たち、そして、もちろん、旅をする中で出会う人間たちも魅了していくのです。うしおが放つセリフ、行動一つ一つが感動を呼びます。胸が熱くなるんです。
個人的な感想
漫画の絵がホラータッチで怖くて惨殺なシーンがたくさんあり、夜読めないこともありました…ですが、それ以上に感動することが多く、気づいたら時間に関係なく読んでいました。
物語の最後になるにつれて胸が締めつけられそうでハラハラする場面もあり、涙を必死でこらえていましたね。クライマックスのシーンは今でも覚えています。素晴らしい最後を迎えます。
最後に
人間と妖怪という珍しいコンビが織りなす冒険漫画。宿命、勇気、希望が散りばめられた物語です。ホラー要素満載なので、苦手な人もいるかもしれませんが、ハマるとやめられなくなります。
冒険、感動が好きな人はぜひ読んでみてください。
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